maaaruの支援によりカンボジアの小学校が完成!

maaaruの支援によってカンボジアのプレイクアエク小学校が完成しました。現地で支援に携わっているNPO法人GLOBE JUNGLEの楠美和さんにお話を伺ってきました。

NPO法人GLOBE JUNGLEとは

出典:https://glojun.com

GLOBE JUNGLEさんは、どのような活動をされているのでしょうか?

2005年からカンボジアの首都プノンペンに事務所を構えて活動している団体で、主に子どもたちのサポートをメインに行っています。学校・図書館建設や奨学金支援のサポートをしたり、村でフリースクールやくっくま孤児院を運営したりしています。

元々、日本で活動していたNGOがあり、そこでカンボジア部門を立ち上げ、事務所を作ったのが始まりで、今は独立しGLOBE JUNGLEという名前に変えて活動しています。日本人のスタッフだけではなく、通訳として現地スタッフも一緒に働いています。

カンボジアの現状

カンボジアの子どもたちの教育を取り巻く現状について教えてください。

カンボジアの公立学校は、小学校から高校まで無料なので、家の近くに学校がある子どもたちは、田舎の方であっても学校に通うことができます。一つの村に一つの小学校を作ろうと国は動いていますが、まだそうなっていない地域もあります。小学校へ通うために、隣の隣の村まで行かなければならないような地域では、通うのが大変なので、必ずしも6歳から小学校一年生になるというわけではなく、例えば、8歳になって体つきが少し大きくなってから行かせよう、という実態もあります。

しかし、一昔前に比べると、田舎の子どもたちも小学校に通えるという状況になりつつありますね。ただ、生活が大変なおうちでは、いわゆる日雇いのような仕事を求めて、季節ごとに他の場所へ移動しなければならなかったりもします。幼い子どもを連れて出稼ぎに行かなければならないため、学校に通えなくなってしまう状況になってしまう家庭があるのが現実です。

校舎の状況はいかがでしょうか?

カンボジアではポル・ポト政権時代にたくさんの校舎が壊されてしまいました。ポル・ポト政権下で、いわゆる知識層の方たちが大量虐殺されてしまったので、その後、なんとなく建て方を知っている人たちが、校舎を村の子どもたちのために作り直してくれたのですが、やはり30年40年と経過していくうちに、修繕が必要な学校が出てきているのが現状です。また、修繕すらも難しい状況になっている学校もありますので、建て替えをして、子どもたちが安心して勉強できる環境を整えていかなければなりません。

先生の人数は足りているのでしょうか?

カンボジアは子どもたちが多い国ですので、先生の数は足りていません。コロナ禍で先生の採用試験を行うことができなかったため、さらに先生が足りないという状況に陥っています。先生のお給料は元々とても安くて、やっと少しずつ上がってきましたが、それでも工場のワーカーさんと同じぐらいというのが現状です。本来は全てを国の予算でまかなっていくのがベストだと思いますが、先生たちのお給料へ予算を回すとともに、同時に建物の修繕をしていこうとすると、やはりお金は足りません。建物といったハード面は、他の国の方たちにサポートしてもらいたいという状況があり、わたしたちがそのサポートに回っています。

プレイクアエク小学校が完成!

今回、maaaruの支援でできたプレイクアエク小学校についてお聞かせください。

小学校は、プレイベン州というところで、カンボジアの首都プノンペンから車で2時間くらいの場所にあります。公立の小学校で、180人の子どもたちが無料で通うことができます。子どもたちのお父さんやお母さんたちは、農作業をしたり、首都プノンペンの工場へ出稼ぎに行ったりして生活をしているような状況です。

maaaruの支援を受けたきっかけはなんだったのでしょうか?

わたしたちの団体を支援してくださっている方が、世界で学校を作ったりサポートしたりしていきたいというmaaaruのコンセプトを耳にして、「カンボジアだったら、GLOBE JUNGLEという団体があるよ」と、maaaruの方へ紹介してくださったことがきっかけです。そして2022年の8月、maaaruのみなさんが実際にカンボジアへ来てくださいました。一緒に活動していきたいという思いから申請したところ、今回サポートしていただけることになりました。

校舎は1から作られたのでしょうか?

いえ、この小学校は、元々教室は3つあり、小学校1年生から6年生までが、午前中3学年・午後3学年というスタイルで勉強していました。子どもたちは年々増えていく状況で、学年によってばらつきがあるものの、1学年の人数が1つの教室に収まらなくなってきました。また、カンボジアの小学校の基準が変わり、3教室以上、さらに職員室や図書室、トイレといったものを作らなければならなくなりました。幼稚園クラスを作ったり、古かった教室を図書室や職員室に作り替えることができるので、今回新たに3つの教室を作っていただきました。

完成までに苦労したことはありますか?

カンボジアの現地の大工さんにお願いしていたのですが、今年は例年よりも雨季の時期が長く、そして降る量もとても多かったので、コンクリートが中々固まらなかったりと大変そうでした。大工さんの気持ちとしては、どんどん工事を進めていきたいのに、天候に左右されるのでもどかしい気持ちでいっぱいだったのではないでしょうか。

村の人たちもとても協力的で、時間があればレンガを運ぶといった手伝いをしに来てくれたので、本当にやりやすい現場だったと大工さんは話していました。小学校は着工してから、4〜5ヶ月程度で完成しました。

完成後の現地のみなさんの様子はいかがでしたか?

村の方たちはとても喜んでいらっしゃいました。カンボジアは1月が新学期なのですが、maaaruのみなさんが現地に見に来られる前なので、新学期から使っていいのかどうか問い合わせてほしいと先生に頼まれたくらいです。どうぞ使ってくださいと快諾を得て、子どもたちも先生も大喜びで新しい教室で授業をしています。2023年2月にドネーションツアーを実施するので、完成式典を盛大に行いたいと考えています。

プレイクアエク小学校に関わらず、他のことでも、カンボジアの人々は日本の方たちが作ってくださったものをとても大切に使います。もし壊れたとしても自分たちで修理しながら綺麗に使っていこうとか、新しい校舎ができたのなら子どもたちを学校へ通わせようとか、そのような雰囲気がそれぞれの場所で生まれてくるので、本当にありがたいサポートだと思っています。

今後の支援について

今回は校舎建設の支援でしたが、今後はどのような支援が必要になってくるのでしょうか?

最近は、すごくやる気のある若い先生が増えてきて、本当に一生懸命教えてくれます。クメール語は読み書きがとても難しい言語なのですが、1〜2年生の間に徹底して勉強しないと習得できません。プノンペンでは、クメール語のカードが売られていて、その発音をする物の絵が書かれているので、クメール語を教えるときにとても重宝します。プノンペンではインターナショナルスクールも増えてきて、日本の「あいうえお表」のようなポスターがあったり、算数の教材だったり、いろいろなものが売られています。しかし、田舎の先生たちは、例えば色画用紙1枚すら買うことはできませんし、奥地だと市場にも行けません。また、このような素晴らしい教材があることを知らなかったりもします。校舎の建築や修繕と並行しつつ、先生たちのモチベーションを上げ、子どもたちが一生懸命勉強できるような教材や文房具のサポートができればいいなと思います。

最後に、maaaruを通じて寄付してくださるみなさんにメッセージをお願いします。

maaaruを通じて寄付してくださった方全員がカンボジアへ行ったことのある人ばかりではないと思います。maaaruの方のお話を聞いたり、テレビの状況を見たりして、カンボジアのために何かできることはないか、と思ってくださったのではないでしょうか。日本から遠く離れたカンボジアのことを思ってくださりありがとうございます。

みなさんから寄せられた思いをわたしたちはしっかり受け止めて、お預かりしてる支援金をきちんと目に見える形にして、報告させていただきます。そうすることで応援してくださる方へご恩を返していきたいなと思っています。また、日本のみなさんがどのような思いで応援をしてくださったのかを、現地の方々へしっかりと伝えていきます。今後も、子どもたちが毎日楽しく学校に通えるように、もっと素敵な環境にしていくサポートを引き続き行っていきたいと思っています。

楠さん本日はありがとうございました。子どもたちだけではなく、村中の人々が完成を待ち望んでいたことがとても伝わって来ました。2月の完成式典も楽しみにしています!

ニュース一覧へもどる